ゲームブンセキ

ゲームの感想、分析、そしてリスペクト

TETRIS 99:狩りのように凶悪なパズル。テトリスなのに。

テトリス99はオンラインで一度に99人遊べるという「バトロワをとってつけた感」を思わせるが実際にプレイしたら大きく印象が変わった。


対戦式のテトリスはもとより、ぷよぷよなどパズルゲームにおける攻撃は多くの場合は自分以外全員に行っている。

しかしこのゲームは99人の中から一人を狙うことができる。
そして狙われていることがわかるので殺意の緊張感を味わえるのだ。

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この「殺意」は対戦パズルにおいても新鮮であり、このゲームのキモでもある。
そして殺意はバッチシステムによって更に加速していく。以下で詳細に説明しよう。

俺より弱ったヤツに会いに行く

テトリス99で相手をKOするとそのお邪魔の攻撃力が増加するバッチがもらえる。
とすればセオリーとしてKOを狙うためにピンチに陥っている人を見極めて攻撃することになる。
親切にも、誰を攻撃するかを自動で選択する機能があり、弱っている人を狙う「とどめうち」が実装されている。
同じ弱っている人でも持ちこたえそうな人と、スキマだらけでもう耐えられそうにない人で分かれてくるので確実に仕留められる人を手動で指名することでよりKOしやすくなる。

迷ったら「とどめうち」の連続選択でどの人がピンチかすばやく探すこともできる。

 

弱った相手を見極め倒したとき思わず下劣な笑みがでることうけあいだ。

 群がるハイエナに負けるな

問題は逆に自分がピンチに陥った場合だ。
当然ながら他の人がバッチを狙いにKOしにくる。
狙われているときはその相手から線が見えるのでどれほどの殺意を向けられているかがわかる。

そんなとき「カウンター」という作戦を選ぶと指名してきた相手全員に攻撃できる。

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更に狙われているほど攻撃力が上がるので、まさにピンチをチャンスに変える作戦なのだ。送られてきたお邪魔ミノは一列に並んで溝が空いていることが多いので棒型のミノをストックしていれば一気に巻き返せる。

 

カウンターでピンチ脱すれば「とどめうち」狙いの人がいなくなる。
ついでにKOまでとれれば気分は最高だ。
もっとも、自分で積んだミノがガタガタで処理できない場合は諦めるしかないが…

 

そしてゲームが進むにつれミノさばきとバッチの攻撃力を加味した競争に勝ったものがテトリス1として優勝する。
試合を最後まで観戦すると上位の人は相手の首とも言えるバッチがたくさん集まっていることが伺えるだろう。
考えなしにコツコツと積んでいていも全く上位にいけないばかりかいつの間にか高く積み上がって「とどめうち」の対象にされてしまう。

 

このテトリス99は内職的なパズルではなく殺意を持って殺意を制するゲームだ。


冒頭で述べたが従来のテトリス対戦や他の対戦パズルの攻撃対象は全員なので自然とパズル要素とおじゃまの対応がうまい人が勝つ仕組みだった。
しかしテトリス99は攻撃する相手が不利なら複雑なテクニックなしでも相手を倒せる。
FPSなどのバトロワで銃を向けるのは戦場でうっかり出会ってしまったから身を守るべく戦う。
しかしテトリス99は獅子がウサギを捕食してバッチを血肉にすべく狙うのである。

狩るか狩られるか。弱った相手を横取りするか。サバンナの世界のような駆け引きをテトリス99で体感しよう。

 

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ところでハイエナって横取りもするけど普通に狩りをするのも上手いらしいよ。