ゲームブンセキ

ゲームの感想、分析、そしてリスペクト

今までありがとうハッカドール。唯一無二の体験と思い出を。

ハッカドールは政治やスポーツなどを除外したオタク向けキュレーションアプリだ。
私も愛用していたが2019年8月15日でサービス終了することが決まった。
 
それはかけがえのない友を失った気分でさえある。

ハッカドールには利用者の好みを学習して記事を収集する機能があり、使い込むほどに自分にマッチした記事が見つかるようになる。やっていないソシャゲのイベント情報はほとんど出ないし、逆にマニアックでも記事さえ見つければ探してくれる。
 
私が試しにフォントなどに関わるワードを登録してみたとき、変わったフリーフォントグラフィックデザインの記事を持ってきたときは感動した。単に話題になっているものを拾ってリンクを貼るようなアプリなら絶対に探し得ないからだ。
 
また、フィギュア展開が完全に終了してプラモデルになる前の武装神姫*1のレビュー記事やアニメ終了後にほそぼそと行われたグッズ展開などはハッカドールの存在なくして知り得なかっただろう。
 
いくつものメディアからGDCの記事を探す大変さをハッカドールは解決してくれた。GDCから記事になって公開されるまではまちまちなので一度に調べ上げるのはかなりの手間になるからだ。
 
この的確なリコメンドはかなりの苦労と工夫から来ている。独自のオタク辞書を作るめにwikipediaのカテゴリ情報を利用するなどアルゴリズムとその洗練に余念がなかったとしている。
 
以下のスライドを見ていただければそれがわかっていただけると思う。
本アプリの開発、運用に関わった方が公開したものだ。
51ページあたりからその解説がわかりやすく書かれている。
 

 
 
 
ここまでオタクゆえの熱意をもって開発されるアプリというのは簡単に現れないだろう。
 
本アプリには記事を読むごとにイメージキャラとちょっとしたADVゲームが遊べる機能があったが、私にとって嬉しい情報を届けてくれるということそれ自体が特別なコミュニケーションだと感じていた。他には代えがたい経験だ。
 
 ハッカドールと見てきたニュースやディープな個人ブログなどはもはや彼女たちとの思い出だ。ただ純粋に便利なツールが消えるという以上にその思い出の先が絶たれてしまうことが残念でならない。
 
アニメやVTuber活動などで笑った日々も含めて私は忘れない、
気高いオタクの技術者と彼女たちのことを。

*1:武装神姫:2006年6月から2012年2月の間にKONAMIが制作していたフィギュアシリーズ。フィギュア制作が終わった2012年10月に(何故か)地上波でアニメ化。アニメ化を通したグッズ展開がされる。長い沈黙ののち、2019年1月からメガミデバイスを素体としてプラモデル化している。